公開日:2021年04月09日
春の引っ越しシーズンも落ち着いてきて、次に新婚さんのお部屋探しのシーズンが始まりました。
お部屋選びで、必要な設備の上位に追い炊き機能(自動湯張り・沸かし直し機能)があります。
人気設備になるにつれて、賃貸物件も追い炊き機能が標準化してきたいます。
ところが、この追い焚き配管には汚れが付着しやすい傾向があり、レジオネラ菌の発生も懸念されています。そこで、追い焚き配管をキレイにするためのプロの技をご紹介させていただきます。
意外と知られていない賃貸の場合は前入居者の汚れなんです!
いまの追い焚き機能の主流は、最初に浴槽にはったお湯を吸い込んで給湯器で温め、また浴槽に戻すタイプ(循環型)です。前に入った人の垢(あか)や汚れもお湯と一緒に配管内へ吸い込んでいるため、配管の中は少しずつ汚れが付着していきます。脂の汚れに加え、意外に知られていないのが、入浴剤が原因となる汚れです。追い焚き機能を使う場合には、入浴剤の使用は控えたほうがいいでしょう。 さらに、汚れを栄養分にして雑菌が発生します。汚れが蓄積した状態を放置すると、重度の肺炎や高熱などを引き起こす原因となるレジオネラ属菌が発生する可能性もあります。厚生労働省のホームページでも、追い焚き機能付きの風呂は、レジオネラ症を防ぐために汚れやぬめりが生じないよう、定期的な洗浄が必要と注意喚起しています。 汚れが見えない追い焚き配管内も、お掃除が必要なのです。
スポンジとブラシ、過炭酸ナトリウムで簡単お掃除
それでは、自宅で簡単にできる追い焚き配管のワザとは、どのようなものなのでしょうか。 用意するのはスポンジとブラシ、それと、一般的な浴槽の半分、およそ100リットルのお湯の場合で過炭酸ナトリウムを200~300g程度。これだけです。過炭酸ナトリウムは、ホームセンターやネットで購入できますが、洗濯で使う粉タイプの酸素系漂白剤でも代用できます。順は、次のとおりです。 (1)循環口のフィルターを外す (2)循環口の上2cmまでお湯をはる 温度の設定は37℃が目安です。追い焚き機能を使うため、お湯を循環できる水位(循環口の上)までお湯を溜めます。 (3)過炭酸ナトリウムを溶かす 過炭酸ナトリウム200~300gを循環口の付近から注ぎ入れ、お湯に溶かします。 (4)追い焚きをして過炭酸ナトリウムを配管内へ 追い焚きの温度設定を最高温度に設定して追い焚きを行い、過炭酸ナトリウムを配管内に行き渡らせます。過炭酸ナトリウムは、高い温度で洗浄効果が高まるため、このときの温度設定がポイントです。 (5)約1時間浸け置きする 追い焚きが終わったら、約1時間浸け置きして汚れを緩めて浮かせます。このとき、洗面器やお風呂用のいすなども浸けておくと、石鹸カス汚れがキレイに取れるので、一緒に浸け置きするのがオススメです。 (6)お湯を抜き、再度追い焚きをしてすすぐ 栓を抜いて、お湯をすべて流します。再度、循環口の上まで水をはり、追い焚きしてすすぎます。 (7)浴槽やフィルターを洗って乾拭き 洗浄で出てきた汚れがお湯の境目に付いているので、スポンジでこすり、フィルターもブラシなどで洗って、最後に乾拭きして完了です。
2年以上掃除をしていない場合などはプロにお任せ
ただし、2年以上追い焚き配管の掃除をしたことがなかったり、中古住宅に入居したりした場合など、多くの汚れが付着している可能性が高い場合には、やはりプロに頼んだほうがよいケースも多いといいます。プロの場合は特殊な専用機材と除菌剤を数種類使って徹底洗浄して作業前後の汚れの数値を報告します。 家族が多く、お風呂をよく使用するご家庭と、赤ちゃんや高齢者など、免疫力の低い方がいるご家庭は要注意です。また、お風呂給湯器をリフォームした場合も、追い焚き配管は古いままなので汚れているかもしれません。 そんな場合は、除菌クリーニングの必要性が高いです。プロの技と機材でキレイにした後は、月に1度くらいご家庭でできるお掃除をして、キレイな状態をキープしましょう!